「九州でシュノーケリングをするなら、どこがいいですか」

この記事は、そう調べている方に向けて書きました。答えから言います。九州は1つの海ではありません。本土の北側は伊豆と同じ6か月、屋久島から南は沖縄と同じ12か月です。 どこを「九州」と呼ぶかで、シーズンが倍違います。

使ったのは、各市町と観光協会の公式ページ、7県の漁業調整規則、環境省の国立公園の資料、気象庁の水温、警察庁の統計だけです。

水温で見ると、九州は2つに割れます

気象庁の日別海面水温を2016年から2025年まで10年分平均して、月平均が20℃以上になる月を数えました。20℃は、3〜5mmのウェットスーツで無理なく入れる境目としてこのサイトが引いている線です。

九州5海域の20℃以上になる月の数を、伊豆東と沖縄本島南と並べた横棒グラフ。玄界灘・糸島6か月、相模湾・伊豆東6か月、天草灘・天草7か月、日向灘南部・宮崎9か月、屋久島北・一湊12か月、奄美南西部・与論12か月、沖縄本島南12か月。
図: 気象庁の日別海面水温(2016〜2025年)から BLUE BREATH が月平均を集計。20℃以上になった月を数えた。
海域(気象庁の区分) 20℃以上の月 月数
玄界灘・糸島 6〜11月 6か月
天草灘・天草 6〜12月 7か月
日向灘南部・宮崎 4〜12月 9か月
屋久島北・一湊 通年 12か月
奄美南西部・与論 通年 12か月

糸島の6か月は、伊豆の駿河湾・相模湾とまったく同じです。天草で1か月、黒潮が当たる宮崎で3か月延びます。屋久島と与論島は、2月の最低でも20.0℃と21.5℃で、沖縄本島と同じ12か月です。「九州に行けば暖かい」は、島に行けば、の話です。海域ごとの数字は素潜りの時期はいつ?に全部あります。

本土で、自治体が自分でシュノーケリングを書いている海

天草(熊本)は65日、市が「素潜り」と書いています

天草市の海水浴場は2026年6月28日から8月31日までの65日です(白鶴浜だけ8月30日まで)。市の一覧は、茂串海水浴場を「素潜りでたくさんの熱帯魚に出会える」と紹介しています。自治体の公式サイトが素潜りの語を使っている例は多くありません。本渡海水浴場は「ビーチ全体が遠浅の湾内にあり、波が穏やかで小さな子どもがいる家族にもおすすめ」です。監視員の有無は、市のページに記載がありません。

水温は天草灘で6月から12月の7か月です。海水浴場の65日は、そのうち3分の1です。

糸島(福岡)は、監視員がいないと観光協会が書いています

糸島市観光協会の芥屋海水浴場のページに、こうあります。

※監視員、ライフセーバーはいません。 — 糸島市観光協会

開設期間の記載もありません。福岡市から近い海で、水温は6月から11月の6か月です。柏島と同じで、見ていてくれる人は自分で連れていくものです。

佐賀と大分は、浜ごとに日付が出ています

佐賀県唐津市は、波戸岬が2026年7月16日から8月31日、西の浜が7月1日から9月30日と、浜ごとに期間を公表しています。大分県姫島村は7月1日から8月31日です。どちらもシュノーケリングの記述はなく、海水浴場として開く期間だけが分かります。

島は、別の記事に分けました

屋久島は、町が一湊海水浴場を7月18日から9月13日まで開き、監視員を配置します。水温は12か月あるのに海水浴場は58日です。詳しくは屋久島に書きました。

与論島は、礁湖がまるごと国立公園の海域公園地区です。町の公式サイトに海水浴場の期間も監視員の記載もありません。詳しくは与論島に書きました。

7県とも「やす」を認めています

九州7県の漁業調整規則を並べると、遊漁者が使える漁具に「やす」を挙げていない県はありません。

やす 確認した条文・資料
福岡 使える 県規則(条文)
佐賀 発射装置のないもの 第46条「やす・は具」
長崎 発射装置のないもの 県規則(条文)
熊本 使える 県規則(条文)
大分 発射装置のないもの 第35条・第46条の県解説
宮崎 船・発射装置なし 県規則(条文)
鹿児島 「やす、は具及びほこ突き」 第44条

和歌山と兵庫が一覧に「やす」を載せていないのと対照的です。ただし条件があります。大分県は、先端と柄が離れるものは「もり」で禁止、やすに付けたゴムの弾力で突くのも「発射装置を有するやす」で禁止、と説明しています。鹿児島県のQ&Aは、水中銃は第44条の漁具に該当しないので使えない、です。屋久島町は海水浴場内で「モリや刃物等、危険物の使用」を禁じています。県で使えても、浜で止まる形は式根島と同じです。39都道府県の一覧は魚突きは違法?にあります。

2025年夏の事故は、福岡19件・沖縄33件

警察庁の「令和7年夏期における水難の概況」の都道府県別の数字です(2025年7〜8月)。

発生件数 死者
福岡 19 7
佐賀 4 2
長崎 9 7
熊本 5 3
大分 9 8
宮崎 2 1
鹿児島 9 5
沖縄 33 14

沖縄の33件は全国で最も多く、九州7県の合計57件より少ないだけです。この統計は川や用水路を含む水難全体で、海だけの数字ではありません。

この記事で確認できなかったこと

  • 天草市・糸島市の海水浴場の監視員の有無(天草は記載なし、糸島は「いません」)
  • 長崎(壱岐・五島・対馬)の自治体公式のシュノーケリング案内(原文に到達できず、この記事では扱っていません)
  • 第七管区・第十管区海上保安本部のシュノーケリングの事故統計(第七管区の区分にスノーケリングの項目がありませんでした)

次の一歩

九州で海に入るなら、順番はこうなります。

  1. まず、本土か島かを決めてください。 糸島と天草は6〜7か月、屋久島と与論島は12か月です。冬に行くなら島です
  2. 海水浴場の期間内に行くなら、天草の茂串か屋久島の一湊です。 屋久島は監視員がいます。糸島の芥屋は期間中も監視員がいません
  3. 期間外に入るなら、見ていてくれる人を水面に置いてください。 海で守るのはこの3つだけです

持ち物はシュノーケリングの持ち物に、関西の海は関西でシュノーケリングにまとめました。

本記事は各市町・観光協会・各県・環境省・警察庁の2026年8月22日時点の公開情報と、気象庁のデータに基づく情報提供です。期間・料金・ルールは年によって変わります。行く前に必ず各市町か現地へ直接ご確認ください。