「沖縄でシュノーケリングをしたいけれど、資格や講習は要りますか」

この記事は、そう調べている方に向けて書きました。答えから言います。泳ぐ側に資格は要りません。資格の基準があるのはガイドの側で、沖縄県の規則は「指導団体が指導員として認定した者」を線にしています。

「シュノーケリング 資格」で検索して出てくる資格は、ほとんどがこのガイド側の資格です。客が取るものではありません。

持ち帰りは3つです。

  1. ツアーの予約に認定証は要りません。 求められるのは健康状態と、ガイドの指示に従うことです
  2. 資格の有無を見るなら、ガイドの側です。 沖縄では届出のときに資格者名簿を出しています
  3. 資格より先にライフジャケットです。 海保の5年間の事故者265人のうち、着ていたのは約1割でした

泳ぐ側に資格を求める法令はありません

国の法令にも、都道府県の条例にも、シュノーケリングをする人に資格を求めるものは見つけられませんでした。沖縄県の条例施行規則が「スノーケリング者」に求めているのは、資格ではなく遵守事項です。その一つは「スノーケリングガイドの指示又は指導に従うこと」です。

つまり、客に求められているのは「資格を持っていること」ではなく「ガイドの言うことを聞くこと」です。申し込みのときに認定証を出す場面はありません。

シュノーケリングの資格を、客・ガイド・講習の3つに分けた図。客=資格なし(遵守事項のみ)、ガイド=沖縄県規則第32条の基準、講習=任意で6,900〜25,000円。
図: 沖縄県条例施行規則第32条・スノーケリングガイド基準・各スクールの公開情報から BLUE BREATH が整理。

資格の基準があるのは、ガイドの側です

沖縄県の条例施行規則(2026年4月1日施行)の第32条は、こう書いています。

条例第23条第1項第1号に規定するスノーケリングガイドの資格基準は、当該スノーケリングガイドが次の各号のいずれかの要件を満たしていることとする。⑴ スノーケリング指導団体が指導員(これと同等以上のスノーケリングに関する知識及び技能を持つ者として認定する資格を含む。)として認定した者であること。⑵ 前号で規定する者と同等以上のスノーケリングに関する知識及び技能を有すると認められる者であること。

特定の団体名は書かれていません。「指導団体が指導員と認定した者」か、それと同等の人、という線です。業者は届出のときに「スノーケリングガイドに係る資格者名簿の写し」を添付します。だから「ガイドに資格がありますか」と聞いたとき、届出のある業者には答えがあります。

同じ規則の第2項は、ガイドに「その人数に上限を設ける等、スノーケリング者の安全を確保するために必要な措置を講じるよう努めなければならない」とも求めています。

海保が協力した業界基準も、ガイドの基準です

2023年9月に、レジャーダイビング認定カード普及協議会と日本海洋レジャー安全・振興協会が「スノーケリングガイド基準」を作りました。海上保安庁の交通部安全対策課が協力しています。

この文書も、客の資格には触れていません。参加者について書いているのは年齢と健康だけです。各教育機関の基準を優先したうえで、「一般的には6歳以上が望ましい」「10歳未満の参加者には保護者が同伴すること」としています。

講習は任意です。受けるなら6,900円から

資格が要らないからといって、講習が無駄なわけではありません。自分たちだけで海に入るなら、一度は習っておく価値があります。公式サイトに料金があるものを並べます。

講習 料金 年齢 認定
伊豆アクアマリン 体験シュノーケリング 1回コース6,900円 5歳から(未就学児は家族貸切) なし
PLATYPUS SSIスノーケルダイバーコース 25,000円(器材レンタル無料) 年齢に関係なく参加可 SSIの認定カード

SSIのスノーケルダイバーは、本部のページに「参加に最低年齢はない」「上手に泳げる必要はない」と書かれています。水に慣れていて、浮いていられれば受けられます。

どちらも「ツアーに参加するための資格」ではありません。自分で安全に泳ぐための講習です。

資格より先に、ライフジャケットです

海保が協力したガイド基準の冒頭に、こう書いてあります。

海上保安庁によると、平成30年から令和4年までの過去5年間において、スノーケル使用中の事故者数は265人(年平均53人)であり、事故者のうち、5割を超える方が死亡または行方不明となっており、他のマリンレジャーと比較しても死亡または行方不明となる割合が高い。

そして「事故者のライフジャケット着用率は約1割に留まっており」と続きます。資格の有無で事故は分かれていません。着ていたかどうかで分かれています。

沖縄では2026年4月から、業者が客に救命胴衣かウェットスーツを着せることが義務になりました。ツアーならガイドが着せてくれます。自分たちで入るなら、自分で着てください。シュノーケリングはなぜ溺れる?に、事故の順番を書いています。

この記事で確認できなかったこと

  • 沖縄県以外で、スノーケリングガイドの資格基準を条例で定めている都道府県があるか
  • PADIのスキンダイバー(Skin Diver)コースの現行の正式名称と年齢(公式ページの表示が別コースに切り替わっていて、原文を確認できませんでした)
  • 観光庁「訪日外国人等に対する体験ダイビング及びスノーケリングの提供に関するガイドライン」の本文

次の一歩

ツアーに申し込むなら、資格の心配は要りません。代わりに「ガイドの資格は何ですか」「ライフジャケットは貸してもらえますか」の2つを聞いてください。届出のある業者なら、どちらにも答えがあります。

沖縄で業者を選ぶなら、県警が安全対策優良と認めた40社と、ツアーの選び方も合わせてどうぞ。