「シュノーケリング中にケガをしたら、保険は使えるのでしょうか」

この記事は、シュノーケリングや素潜り中のケガに、加入している保険が使えるか気になっている方に向けて書いています。

答えから言います。大手保険会社4社の約款を確認したところ、「危険な運動」として名指しされている一覧に、ダイビング・素潜り・シュノーケリングの名前はありませんでした。

持ち帰りは3つです。

  1. 列挙されているのは山岳登はんやスカイダイビングなど9種類で、水中のスポーツは入っていません。
  2. ただし「その他これらに類する危険な運動」という包括条項があり、約款だけでは判定できません。
  3. DAN JAPANの会員保険はレジャーダイビング中のケガを対象にしています。海保の救助費用は基本的にかかりません。

保険会社4社の約款、「危険な運動」は何が並ぶか

団体傷害保険・海外旅行保険・団体総合生活補償保険・カード付帯保険の4社を、公式の約款PDFで確認しました。

保険種 社・商品 「危険な運動」の列挙にダイビング系はあるか 扱い
団体傷害保険 東京海上日動「特殊な団体傷害保険」 ない 免責
海外旅行保険 損保ジャパン「新・海外旅行保険off!」 ない 削減のみ(免責ではない)
団体総合生活補償保険 三井住友海上 ない 特約の対象リストに無し
カード付帯保険 イオンゴールドカード(あいおいニッセイ同和引受) ない(山岳登はん・ハンググライダーのみ例示) 免責
大手保険4社の約款「危険な運動」列挙にダイビング系の名前は無く、DAN JAPAN会員保険はレジャーダイビング中の傷害が対象、海上保安庁の救助費用は基本的に無料という7項目の分類。
図: 各社約款・DAN JAPAN・海上保安庁FAQからBLUE BREATHが分類(2026年8月23日時点)。

「確認できず」ではなく「無い」と書いた項目は、約款の該当条項を実際に読んで確認したものです。加入している保険の商品名は表と違うことが多いので、必ず自分の約款で確認してください。

東京海上日動が挙げる9種類に、水中スポーツは含まれない

東京海上日動「特殊な団体傷害保険」の約款は、第4条の別表1で保険金を支払わない運動を列挙しています。原文はこうです。

山岳登はん(*1)、リュージュ、ボブスレー、スケルトン、航空機(*2)操縦(*3)、スカイダイビング、ハンググライダー搭乗、超軽量動力機(*4)搭乗、ジャイロプレーン搭乗その他これらに類する危険な運動 — 東京海上日動火災保険「特殊な団体傷害保険」約款 第4条 別表1

9種類とも、空を飛ぶ・そりで滑る・山に登る運動です。水に潜る運動は、この列挙の中に一つもありません。

列挙に無ければ、保険は使えるか

ここで注意が必要なのは、列挙の末尾にある「その他これらに類する危険な運動」という一文です。これを包括条項と呼びます。

保険会社が、ダイビングを「これらに類する危険な運動」と判断すれば、対象外になる余地は残ります。約款の文言だけでは、白黒が確定しません。判断が必要なときは、加入している保険会社のコールセンターに直接聞くのが確実です。

損保ジャパンは「免責」でなく「削減」

損保ジャパン「新・海外旅行保険off!」の約款は、少し違う仕組みです。第6条にはこうあります。

当会社は、被保険者が別表2に掲げる運動等を行っている間に被った傷害に対し、保険契約者があらかじめこれらの運動等に対応する割増保険料(注1)を支払っていない場合は、次の割合により保険金額を削減します。 — 損保ジャパン「新・海外旅行保険off!」約款 第6条

対象の運動をしていても保険金がゼロになる「免責」ではなく、割増保険料を払っていなければ金額が減る「削減」です。別表2にもダイビング系の名前はありませんでした。

ダイビング専用保険、DAN JAPANは何を補償するか

一般の保険がはっきりしない以上、ダイビング専用の保険を検討する方法もあります。DAN JAPAN(ダイバーのための緊急ネットワーク)の会員保険は、年会費8,000円(保険料込み)で、レジャーダイビング中に急激・偶然・外来の事故によって被った傷害が対象です。

死亡・後遺障害は最大100万円で、治療費用は国内・海外とも400万円、救援者費用は国内100万円・海外600万円と案内されています(金額は公式ページの案内の範囲で、約款原文は未確認です)。フリーダイビングやシュノーケリングも2022年に対象へ加わったという情報が業界メディアにありますが、DAN JAPANの公式ページでは確認できませんでした。加入前に、対象範囲を必ず自分で問い合わせてください。

海の救助、お金はかかるか

保険とは別に、海で動けなくなったときの救助費用も気になるところです。海上保安庁のFAQはこう答えています。

海上保安庁や(公社)日本水難救済会が行う救助活動や捜索活動にかかる経費については、基本的には遭難者などに請求することはありません。 — 海上保安庁「よくある質問」

海保や日本水難救済会(民間のボランティア救助組織)による救助は、基本的に無料です。

洋上救急制度を使うときは例外的に費用がかかる

例外もあります。洋上の船舶上で医師による緊急の加療が必要になり、日本水難救済会の「洋上救急制度」を利用する場合は、費用負担が発生すると海保は説明しています。陸に近いシュノーケリングでは想定しにくいケースですが、船で沖に出るツアーでは頭に入れておいてください。

この記事で確認できなかったこと

  • 損保ジャパン・三井住友海上のFAQにある「ダイビングは危険なスポーツに該当しない」という記載は、案内サイト経由の確認で、各社公式FAQの原文までは確認できませんでした。
  • DAN JAPANがフリーダイビング・シュノーケリングを対象に加えたという2022年の情報は、業界メディアの報道のみで、公式ページでは確認できませんでした。
  • 東京海上日動の海外旅行保険や、あいおいニッセイ同和の直販商品の約款までは確認できませんでした。

次の一歩

  1. 加入している保険の約款を取り寄せ、「危険な運動」の欄を確認してください。 列挙に無くても、包括条項の対象になる場合があります。
  2. ダイビング系のケガを手厚くカバーしたいなら、DAN JAPANの会員保険を検討してください。 年会費8,000円でレジャーダイビング中の傷害が対象です。
  3. 保険会社のコールセンターに、「シュノーケリング中のケガは対象か」と直接聞いてください。 約款の解釈は、最終的に保険会社の判断です。

海で動けなくなったときの通報先は緊急時は118番、いつ・何を伝えるかにまとめています。事故が実際どれくらい起きているかは海上保安庁の事故統計、道具や講習の費用感は素潜り・フリーダイビングの費用ガイドをご覧ください。潜る前の共通の注意は安全の原則をご覧ください。

本記事は2026年8月23日時点で公開されている約款・公式資料に基づく情報提供であり、保険金の支払いを保証するものではありません。加入している保険の適用可否は、必ず契約している保険会社に直接ご確認ください。