「海女さんって、何メートルくらいまで潜っているんでしょうか」

この記事は、海女さんの潜り方や人数、決まりごとが気になる方に向けて書いています。

答えから言います。海女は3〜4メートルから、深い人で20メートルの海底まで潜ります。 1回の潜水は長くて50秒で、三重大学の報告書は50〜60秒と紹介しています。

持ち帰りは3つです。

  1. 深さも時間も、海女さんによって差があります。 浅い人は3〜4メートル、深い人は20メートルまで潜ります。1回はおよそ50〜60秒です。
  2. 「徒人」は陸から泳ぎ、「船人」は船頭と二人一組でより深く潜ります。
  3. 海女は漁協の組合員として、大きさや時期などの規則の中で漁をしています。

深さと時間はどう決まる?

海女の潜り方には、大きく分けて二つの型があります。「徒人(カチド)」は陸から泳いで漁場まで向かい、単独または仲間と潜ります。「船人(フナド)」は船頭と二人一組で船に乗ります。船頭が引き上げを担う分、徒人より深く潜ります。文化遺産オンラインは、1隻に船頭と複数の海女が乗る「ノリアイ」という形も紹介しています。それぞれが単独で漁をする形です。

泳ぎ方の基本を知りたい方へ

フィンを着けない素潜りの基本は素潜りはフィンなしでもできる?で扱っています。潜水を繰り返す潜り方の注意点は窒素と減圧症の記事にまとめています。潜る前の共通の注意は安全の原則にあります。

何メートル・何秒、志摩半島に何人?

ここまでの内容を、出典ごとに一覧にしました。表の下に、人数の出典を図にしてあります。

項目 数値 出典
潜る深さ 3〜4mから、深い人で20m 志摩半島の海女パンフレット
1回の潜水時間 長くて50秒 志摩半島の海女パンフレット
潜水時間(研究報告) 50〜60秒 三重大学「環境・SDGs報告書2022」
潜り方 徒人(陸から泳ぐ)・船人(船頭と二人一組で深く) 志摩半島の海女パンフレット・文化遺産オンライン
志摩半島の人数 761人(鳥羽505・志摩256)平均年齢65歳超 志摩半島の海女パンフレット(2014年)
鳥羽市・志摩市の人数 978人 三重県「文化財:海女習俗」(2010年)
全国の人数 約2,000人(18県) 志摩半島の海女パンフレット
石川県輪島市の人数 約200人(全国2位) 石川県教育委員会
志摩半島の海女の人数を年代別に見た一覧。三重県公式資料で2010年は鳥羽市・志摩市978人、志摩半島の海女パンフレットでは2014年に志摩半島761人(鳥羽505人・志摩256人)。石川県輪島市は約200人で全国2位。
図: 三重県・鳥羽市・志摩市・石川県教育委員会の公式資料からBLUE BREATHが分類(2026年8月23日時点)。

年ごとに調査主体が違うため、この一覧だけで単純に増減を語ることはできません。数字の出どころは、この後もう少し詳しく見ていきます。

「約2,000人」「2,160人」「514人」——数字の出どころに注意

全国の海女の人数は、パンフレットでは「18県に約2,000人」です。海の博物館が2010年に行った全国調査を紹介する記事では、2,160人という数字も出ています。この記事では要約記事経由の数字として扱い、調査そのものの一次発表までは確認できていません。2022年の人数として514人という数字は報道記事で見ました。三重大学海女研究センターの調査とされていますが、大学が公開した一次のPDFは確認できませんでした。

海女さんは何を採り、何が禁止されている?

文化遺産オンラインによれば、漁獲物はアワビ・サザエ・トコブシ・イワガキ・イセエビ・ウニ・ナマコ・アラメ・ヒジキ・テングサなどです。三重県漁業調整規則では、あわびは殻長10.6センチメートル以下の採捕を禁止しています。禁漁期は9月15日から12月31日までです。

組合員だから、同じ貝を採れます

アワビは漁業法の「特定水産動植物」(漁業権の有無に関係なく採捕を禁止された生き物)に指定されています。詳しくは素潜りでサザエ・アワビは違法?にまとめています。海女は漁協の組合員として、漁業権に基づいて採捕します。この禁止の適用除外にあたります。ただし規則の外にいるわけではなく、組合員としての決まりの中で漁をしています。

海女文化を守る制度は何がある?

海女の技術や習俗は、複数の制度で守られています。国と県、それぞれの指定を時系列で見ていきます。

  • 2014年1月23日。三重県が「海女習俗」を県内で初めて無形民俗文化財に指定しました。
  • 2017年3月3日。国が鳥羽・志摩の海女漁の技術を重要無形民俗文化財に指定しました。
  • 2018年3月8日。国が輪島の海女漁の技術を重要無形民俗文化財に指定しました。
  • 2019年5月20日。鳥羽・志摩が日本遺産「海女(Ama)に出逢えるまち鳥羽・志摩」に認定されました。

国の重要無形民俗文化財は2件あります

文化遺産オンラインは、鳥羽・志摩の海女漁についてフナドとノリアイという二つの操業形態を紹介しています。輪島の海女漁には、石川県教育委員会によると「カチカラ」「イソブネ」「ノリアイ」という呼び方があります。

海女小屋で体験できることは?

海女の漁に同行する体験ではなく、海女小屋で飲食しながら話を聞ける場所があります。鳥羽市の「相差かまど」は、その一例です。公式サイトによると、ランチは大人4,500円、小人1,800円(いずれも税込)です。ティータイムは2,500円(税込)で、4名以上から利用できます。

この記事で確認できなかったこと

  • 2022年の514人という数字の一次PDFです(三重大学のページからはたどれませんでした)。
  • 石川県舳倉島だけに絞った海女の人数です。
  • 海女に限った事故や健康被害の統計です。

次の一歩

  1. 深さや秒数を自分の目で確かめたい方は、鳥羽市・志摩市の「志摩半島の海女」パンフレットPDFを開いてみてください。
  2. 海女文化を体験したい方は、鳥羽市の海女小屋「相差かまど」に予約や最新の営業状況を問い合わせてください。
  3. 禁漁期や大きさの規則を確認したい方は、三重県漁業調整規則の原文を確認してください。

海女は潜水器具を使わず、アワビ、サザエ、ウニ、ナマコ、海藻をとる女性の素潜り漁師です。海女によっては3~4メートルから、20メートルくらいの海底まで潜ります。その潜水時間は長くて50秒です。 — 鳥羽市・志摩市 他「志摩半島の海女」

本記事は2026年8月23日時点で公開されている行政資料・公式資料に基づく情報提供であり、法律の助言ではありません。個別の事案については、都道府県の水産担当課、漁業協同組合、または各施設に直接ご確認ください。