「シュノーケリングをすると、体が汗ばんできます。1時間泳いだら、カロリーはどのくらい消費するんでしょうか」

この記事は、素潜りやシュノーケリングの消費カロリーを知りたい方に向けて書いています。

答えから言います。体重60kgの人がシュノーケリングを1時間すると、公式のMETs(メッツ・運動強度の指標)表で約300kcalです。 スキンダイビング(素潜り)なら、ほどほどの速さで約708kcal、速く泳げば約948kcalです。

持ち帰りは3つです。

  1. METs(メッツ)という運動強度の指標では、シュノーケリングは5.0、スキンダイビングは11.8〜15.8です。 計算式は「メッツ×時間×体重」です
  2. 海女(あま・潜水漁で生計を立てる女性)の実測では、潜水労働で1日約1,000kcal多く消費するという報告があります。 ただし原文未確認の情報です
  3. カロリー消費を増やす目的で、息を止める時間を伸ばさないでください。 過呼吸はブラックアウト(意識消失)の原因になります

シュノーケリングとスキンダイビングは何METsですか

METs(メッツ)は運動強度を表す単位です。安静に座っている状態を1メッツとし、その何倍のエネルギーを使うかを示します。メッツ値は、国立健康・栄養研究所(NIBIOHN)が公開しています。海外のCompendium(運動強度を集めたデータベース)にも、同じ数字が載っています。

活動 メッツ 60kgで1時間の消費
シュノーケリング 5.0 300kcal
海で泳ぐ 6.0 360kcal
スキン・スクーバ全般 7.0 420kcal
スクーバ(レクリエーション) 6.8 408kcal
スキンダイビング(ほどほど) 11.8 708kcal
スキンダイビング(速い) 15.8 948kcal
活動別の消費カロリーを示す横棒グラフ。体重60kgで1時間、シュノーケリング300kcal、海で泳ぐ360kcal、スキン・スクーバ全般420kcal、スクーバ(レクリエーション)408kcal、スキンダイビング(ほどほど)708kcal、スキンダイビング(速い)948kcal。
図: NIBIOHN・Compendium of Physical Activities・厚労省ガイド2023からBLUE BREATHが算出(2026年8月23日時点)。

同じ「水に入る」動作でも、メッツ値は活動によって3倍以上違います。泳ぎの速さと潜る深さが、消費を左右します。

計算式は「メッツ×時間×体重」です

消費カロリーは、次の式で計算できます。

身体活動によるエネルギー消費量(kcal)は、メッツ×時間(h)×体重(kg)で推定することが可能である。 — 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」p.6

体重60kgでシュノーケリングを1時間すると、5.0×1×60で300kcalです。スキンダイビングをほどほどの速さで1時間すれば、708kcalです。速く泳げば、948kcalになります。

ネット上には「メッツ×時間×体重×1.05」という式もあります。ただし、厚労省2023ガイドの本体に1.05を掛ける記載はありません。

海女とスクーバダイバーの実測ではどうですか

表のメッツ値は、活動の分類ごとの標準値です。実際に潜った人を測った研究も見ておきます。

海女は潜水労働で1日約1,000kcal多く使います

海女(あま・潜水漁で生計を立てる女性)を対象にした1965年の研究があります。原文は有料で、確認できていません(要約だけを確認した情報です)。

それによると、海女は1日約3,000kcalを摂取しています。潜水をしない女性より、約1,000kcal多いとされています。研究者は、この差を潜水労働の上乗せと推定しています。

海女の暮らしは、海女さんは何m潜る?で紹介しています。

レクリエーションダイバーの運動強度は5±1メッツです

スクーバダイビング中の運動強度を、空気消費量から推定した研究があります。2014年のBuzzacottの研究です。

観測されたダイビングの運動強度は、平均5±1メッツでした。多くのダイビングは、7メッツ以内に収まっています。

“the estimated exercise intensity associated with monitored dives was 5 ± 1 MET. Mean ± 2SD, or 7 MET, captures the effort associated with the vast majority of dives monitored.” — Buzzacott P, et al. “Exercise intensity inferred from air consumption during recreational scuba diving.” Diving and Hyperbaric Medicine, 2014

これは表の「スキン・スクーバ全般(7.0メッツ)」と、ほぼ重なる範囲です。

冷たい水に入るとカロリー消費は増えますか

一次データでは、冷水そのものが消費を増やすという報告は見つかりませんでした。むしろ、息を止めて潜る時に働く「潜水反応」は、消費を抑える方向に働きます。

潜水反応とは、顔が水に触れると起こる体の反応です。心拍数を下げて、酸素の消費を抑えます。冷たいから消費が増えるはず、という直感とは逆方向なので、混同しないでください。

カロリー消費のために、息を止める時間を伸ばしてもいいですか

おすすめしません。カロリー消費を増やしたいなら、泳ぐ速さや時間を伸ばす方向で調整してください。

意図的に呼吸を増やす行為を、過呼吸といいます。それだけでブラックアウト(意識消失)を起こすのに十分だと、DAN(Divers Alert Network・潜水医学の非営利団体)は指摘しています。

そもそも素潜りで息が続かない理由は、カロリー消費とは別の仕組みで決まります。詳しくは、スキンダイビングで息が続かない理由にまとめています。

息止めの練習に伴う危険は、息止めの練習はなぜ危ない?で扱っています。潜る前の共通の注意は、安全の原則にまとめています。

この記事で確認できなかったこと

  • Kang(1965)の原文(有料で未読、原文未確認として扱っています)
  • 冷たい水での消費増加を示す定量的な一次データ
  • ネットで見る「×1.05」の一次出典

次の一歩

  1. 自分の体重で計算したいなら、「メッツ×時間×体重」に数字をあてはめてください。 表のkcalは体重60kg・1時間の場合です
  2. 記録として残したいなら、シュノーケリングかスキンダイビングかを分けて記録してください。 メッツ値が2倍以上違うため、まとめると誤差が大きくなります
  3. カロリー消費を目的に、息を止める時間を伸ばさないでください。 増やしたいなら、泳ぐ速さや時間のほうを調整してください

本記事は2026年8月23日時点で公開されている行政資料・学会データベース・論文に基づく情報提供です。医学的な助言ではありません。運動強度や消費カロリーの個別の目安は、医師や運動指導の専門家にご相談ください。