「フィンを忘れて海に来てしまいました。今日はもう素潜りをあきらめるしかないでしょうか」
この記事は、フィンなしで素潜りやシュノーケリングができるか気になっている方に向けて書いています。
答えから言います。フィンなしでも素潜りはできます。 国際的な指導団体AIDAとCMASには、フィンを使わない専門種目CNF(コンスタントウェイト・ノーフィン)があります。世界記録は今も更新されています。
持ち帰りは3つです。
- フィンなしでも潜れます。ただし同じ力で進む速さは遅くなります。 水泳の研究では、フィンありの推進エネルギーコストがフィンなしより約40%低いという結果が出ています。
- 世界記録もフィンなし種目にあります。 CNF(フィンなし深度)は男子103m・女子86mで、フィンありのCWT(単フィン深度)は男子136mです。
- 海の条例はフィンを禁止していません。 名指しされるのは水中銃やもりで、一部のプールがフィンの持込を禁止しています。
各種目の正式な定義はフリーダイビングの世界記録は何m?にまとめています。ここではフィンあり・なしの差だけに絞り、Guinness World Records(ギネス世界記録)の公式ページで確認できる記録を並べました。
フィンあり・なしで、世界記録はどれだけ違いますか
| 種目 | フィンの有無 | 男子記録 | 女子記録 |
|---|---|---|---|
| CNF(フィンなし・深度) | なし | 103m(2025年5月・Petar Klovar) | 86m(2025年11月・Kateryna Sadurska) |
| CWT(単フィン・深度) | フィン1枚 | 136m(2023年9月・Alexey Molchanov) | 確認できず |
| DNF(フィンなし・プール距離) | なし | 250m(2022年5月・Mateusz Malina) | 確認できず |
| DYN(フィン・プール距離) | フィン | 319m(2025年11月・Ming Jin) | 280m(2025年7月・Zsófia Törőcsik) |
「確認できず」は記録が無いという意味ではなく、Guinness公式ページで再確認できなかったという意味です。男子で比べると、深度はCWT136mがCNF103mより33m深く、プール距離はDYN319mがDNF250mより69m長くなっています。同じ選手層でも、フィンを使うほうが記録は伸びています。
認定団体の入門コースは、フィンなしを想定していますか
確認できた範囲では、想定していません。PADI(世界最大級のダイビング指導団体)のFreediverコースは、公式ページで「マスク・スノーケル・フィン・ウェイトベルト(場合による)・ウェットスーツが必要」と説明しています。
他の団体のコースはどうですか
指導団体Molchanovs(モルチャノフス)のWave1コースも、公式サイトでフィンを使う実技目標を挙げています。AIDA2・SSI Level1の装備リストは、公式ページを直接確認できませんでした。フィンの選び方は、ロングフィン(推進力を高めた長いフィン)の記事ロングフィンの選び方で扱っています。
海の条例やプールのルールは、フィンをどう扱っていますか
確認できた範囲では、海の条例はフィン自体を禁止していません。沖縄県の条例はスノーケリングを「スノーケルを用いて、遊泳することをいう」と定義するのみです。条文全体にフィンの語はなく、和歌山県の条例が危険な器具として名指しするのも水中銃やもりです。
プールではフィンが使えないことがあります
神奈川県立保土ケ谷公園プールと横浜市本牧市民プールは、利用案内でフィン(足ひれ)の使用・持込を禁止しています。海と違い、プールは施設ごとにルールが分かれています。使う前に確認してください。
フィンなしで海に入るとき、何に気をつければいいですか
離岸流は毎秒2mに達することがあります。日本ライフセービング協会はこれを、オリンピックメダリストでも流れに逆らって泳ぐことが難しい速さだと説明しています。フィンなしは同じ力で進む速さがフィンありより遅くなるため、流れに逆らうのはさらに厳しくなります。海保のデータにもとづく素潜り事故の全体像は素潜りの事故は年に何件?にまとめています。潜る前の共通の注意は安全の原則で確認してください。
この記事で確認できなかったこと
- AIDA公式の記録ページ(アクセス時にエラーで確認不可)。
- AIDA2・SSI Level1の必須装備の公式原文。
- CNFで使う技術を団体が公式にどう定義しているか。
次の一歩
- フィンなしを試す前に、認定団体の入門コースでフィンありの基礎を身につけてください。 PADI Freediverなど、フィンを使う前提のコースが標準です。
- 海に入る前に、離岸流の見分け方を海保やライフセービング協会のページで確認してください。 強い流れを感じたら、逆らって泳がないでください。
- 使うプールにフィンの持込ルールがあるか、事前に施設へ確認してください。 海とプールでルールは別です。
オリンピックメダリストでも流れに逆らって泳ぐことは難しいです。 — 日本ライフセービング協会「離岸流(リップカレント)について」
本記事は2026年8月23日時点で公開されている資料・規則・研究に基づく情報提供であり、法律や安全の助言ではありません。個別の判断については、施設の管理者、指導団体、または専門家にご確認ください。
