「シュノーケリングはライフジャケットを着けるのに、素潜りだとなぜ着けないんですか。」

この記事は、素潜りの格好がシュノーケリングと何が違うのか知りたい方に向けて書いています。

答えから言います。シュノーケリングで浮くための道具(浮力体)を、素潜りでは沈むための道具(ウェットスーツと重り)に替えます。 海上保安庁のスノーケリング基本4点セットは、マスク・スノーケル・フィンに加えてライフジャケット等の浮力体です。素潜りは同じ3点に、ウェットスーツと重りを組み合わせます。

持ち帰りは3つです。

  1. 基本の3点(マスク・スノーケル・フィン)は共通です。 差が出るのは浮くための道具だけです
  2. 素潜りは浮力体の代わりに、ウェットスーツと重りで沈みます。 重りの目安はスーツの厚さで決まります
  3. 潜水中はライフジャケットが使えない前提を、沖縄県の条例も認めています。 代わりにバディ(相棒)とフロート(浮き具)を求めています

シュノーケリングの服装は他の記事にまとめています

シュノーケリング自体の基本装備の選び方は、シュノーケリングの服装は水温と時間で決まるにまとめています。ライフジャケットが義務かどうかは、シュノーケリングのライフジャケットは義務?で説明しました。ここでは、素潜りとの違いに絞ります。

シュノーケリングと素潜りで装備は何が変わるか

海上保安庁のリーフレットとPADIの教育ページ、沖縄県の条例を突き合わせ、品目ごとの扱いを並べました。今回はどの品目も、公式資料で扱いを確認できています。

品目 シュノーケリング 素潜り 根拠
マスク・スノーケル・フィン 必須(基本4点セット) 必須 海上保安庁リーフレット・PADI
浮力体(ライフジャケット等) 基本4点セットの1つ 潜水中は使えない前提 海上保安庁/沖縄県条例第23条
ウェットスーツ 保温・保護のオプション 保温+浮力調整の主装備 海上保安庁/沖縄県条例第23条
重り(ウェイト) 通常は使いません 沈む方向に浮力を調整するため必要 PADI公式ブログ
マリンシューズ・グローブ 任意 保護とクラゲ対策に有効 海上保安庁/沖縄県衛生環境研究所
シュノーケリングと素潜りの装備比較。浮力体はシュノーケリングだけ必須で、素潜りではウェットスーツと重り(3mmで1〜2kgが目安)に置き換わる。
図: 海上保安庁リーフレット・沖縄県水上安全条例からBLUE BREATHが分類(2026年8月23日時点)。

浮力体だけが、逆向きの道具に替わります

表を見ると、変わっているのは1項目だけです。マスク・スノーケル・フィンは共通で、保温・保護の道具も似ています。違うのは、浮くための浮力体が、沈むためのウェットスーツと重りに替わる点です。

重りはどれくらい必要ですか

PADI公式ブログは、ウェットスーツの厚さ別に重りの目安を示しています。3mmで1〜2kg、5mmで3〜4kg、7mmで5〜6kgです。 目安は、水面で息を吐いても無理なく浮いていられる重さです。重すぎると沈み続け、軽すぎると潜りにくくなります。自分の体格や経験に合わせた細かい調整は、素潜りの重りはどれくらい必要?にまとめました。

保温と保護はどう選びますか

海上保安庁は、身体の保温・保護の道具として、ウェットスーツ・マリンシューズ・マリングローブを挙げています。厚さの選び方は、スキンダイビングの服装、ウェットスーツは水温で1.5mmから7mmまで4段で水温ごとにまとめました。

沖縄で潜るなら、クラゲ対策としても着るものが効きます。沖縄県衛生環境研究所は、次のように説明しています。

ウェットスーツや長袖のTシャツ、スパッツ等を着用して、肌の露出を最小限に抑える。ハブクラゲの刺糸(毒針)は、約250μm(1/4mm)と短いので、着衣することで刺糸が肌まで届きにくくなり、刺症を防ぐことができる。 — 沖縄県衛生環境研究所「ハブクラゲ侵入防止ネット管理マニュアル」

肌を覆うだけで、刺される確率は下がります。

なぜ潜るとライフジャケットが使えないのですか

理由は単純です。ライフジャケットは浮くための道具で、素潜りは沈む動作だからです。沖縄県の改正水上安全条例は、この食い違いを条文で認めています。

スノーケリング者に救命胴衣等を着用させること。ただし、スノーケルによる呼吸を行うことができない水深における遊泳を伴うスノーケリングであって、救命胴衣等を着用することにより当該スノーケリングが困難になる場合において公安委員会規則で定める措置をとるときは、この限りでない。 — 沖縄県水難事故の防止及び遊泳者等の安全の確保等に関する条例 第23条第1項第8号

「救命胴衣等」とは、ライフジャケットまたはウエットスーツのことです(第19条の定義)。この条文は、スノーケリング業者に向けた規定です。個人が守るべき義務としての条文は見つかりませんでした。ただし代わりの措置として条例が求めるのは、バディシステム(2人以上で潜る体制)と、1人以上を支えられる浮力のフロートの設置です。潜るとライフジャケットが使えなくなる前提を、条文そのものが認めている形です。

この記事で確認できなかったこと

  • 個人(非事業者)が浮力体を着けるかどうかを定めた条文
  • AIDA・GULLなど他団体の装備リストの原文

次の一歩

  1. 潜る前に、シュノーケリングの基本装備との違いを表で確認してください。 変わるのは浮力体だけです
  2. ウェットスーツの厚さと重りの量は、水温と体格に合わせて調整してください。 目安は素潜りの重りはどれくらい必要?にあります
  3. ライフジャケットを外す潜り方をするなら、必ずバディと一緒に、フロートを浮かべてください。 潜る前の共通の注意は安全の原則にまとめています

本記事は2026年8月23日時点で公開されている法令・規則・行政資料に基づく情報提供であり、法律の助言ではありません。装備の選択については、認定を受けた指導団体や販売店にご相談ください。