「素潜りにウェットスーツは要りますか。買うなら何ミリですか」

この記事は、そう調べている方に向けて書きました。答えから言います。厚みは水温で決まります。公式の表は4段で、28℃以上なら1〜1.5mm、24〜28℃で3mm、18〜24℃で5mm、17℃以下で7mmです。

問題は、日本の海の水温が月で10℃以上動くことです。伊豆は2月16℃、8月28℃。同じ海で、冬と夏で厚みが2段変わります。

持ち帰りは3つです。

  1. 通う海の「いちばん寒い月」の水温を見てください。 下の表に20海域の月を並べました
  2. 1着で済ませるなら5mm。 本州の海で水温20℃を超える月の大半が5mmの帯です
  3. 初めての厚みで潜る日は、浅い場所で浮力を確かめてください。 スーツは浮きます。ウエイトが変わります

公式の表は4段です

フリーダイビング器材メーカーの Molchanovs が、1時間のフリーダイビングを想定した厚みの目安を公開しています。

水温 厚み
28℃以上 1〜1.5mm
24〜28℃ 3mm
18〜24℃ 5mm
16〜17℃以下 7mm

同じページは、人より早く寒さを感じる人は「各範囲の高いほうの水温で厚みを選ぶ」よう勧めています。つまり24℃なら3mmでなく5mm、という読み方です。

なぜ線が24℃と18℃にあるのか、DAN の資料が理由を書いています。ほとんどのダイバーは27℃より冷たい水では保温が役に立ち、24℃より冷たい水では、はっきりした寒さの負荷が予想される、という説明です。そして15℃より冷たい水に急に入ると、息を吸い込む反射が起きて水を飲むことがある、とも書いています。

日本の海に当てはめると、月で厚みが変わります

気象庁の日別海面水温から出した20海域の月平均(2016〜2025年)に、この4段を重ねました。

主要8海域の月ごとのウェットスーツの厚みを、水温の帯ごとに色分けした図。伊豆は冬7mm・夏3mm、沖縄は冬5mm・夏1.5mm。
図: 気象庁の日別海面水温から BLUE BREATH が算出した月平均水温(2016〜2025年)に、Molchanovs の厚みの目安を当てた。海面の水温であって、潜った先の水温ではない。

読み方はこうです。

  • 伊豆(駿河湾・伊豆西): 1〜4月は7mm、5〜6月と11〜12月は5mm、7月と9〜10月は3mm。8月だけ28.0℃で1.5mmの帯に入ります
  • 串本(熊野灘): 2〜3月が7mm、1月と4〜6月と11〜12月が5mm、7月と9〜10月が3mm、8月が1.5mm
  • 八丈島: 8〜9月が1.5mm、6〜7月と10〜11月が3mm、12〜5月が5mm。7mmの月がありません
  • 沖縄本島南: 7〜10月が1.5mm、5〜6月と11〜12月が3mm、1〜4月が5mm
  • 石垣島北・宮古島南: 6〜10月が1.5mm、4〜5月と11〜12月が3mm、1〜3月が5mm

本州で「24℃以上=3mm以下」になるのは7〜10月だけです。残りの季節に海に入るなら、5mmか7mmの話になります。

海面の水温であって、潜った先ではありません

この数字は海面の水温です。潜ると下に冷たい層があることがあり、特に春は海面だけ温まっています。表の厚みは「最低線」として読んでください。

1着で済ませるなら5mm

最初の1着を買うなら、通いたい海の「いちばん寒い月」で選ぶと1年使えます。ただし本州の冬は7mmになり、夏は暑すぎます。

現実的な落としどころは5mmです。駿河湾・伊豆西で水温が20℃を超える6〜11月のうち、表で5mmになるのは6月と11月、3mmが7月と9〜10月、8月だけ1.5mm。5mmを着て夏に暑ければ、水に入る時間を短くすれば済みます。冬に3mmで寒いのは、時間では解決しません。

沖縄本島なら逆で、3mm以下が1年のうち8か月を占めます。旅行で1回だけなら、レンタルで足ります。

レンタルできます。料金は店で違います

最初の数回はレンタルで十分です。DS-BASE(千葉)のスキンダイビング教室では、ウェットスーツのレンタルはプール1,100円、海洋2,200円で、講習料金とは別です。

沖縄のシュノーケリングツアーでは、2026年4月から県の条例で、業者が客に救命胴衣かウェットスーツを着せることが義務になりました。ツアーなら、着るものは店が用意します。自分で買うのは、通う海が決まってからで間に合います。

服装の全体(ラッシュガード・日焼け・靴)は「シュノーケリングの服装は水温と時間で決まる」に、海ごとの水温の一覧は「素潜りの時期はいつ?」に書いています。

この記事で確認できなかったこと

  • 日本のメーカー(GULL・AQROS 等)の公式サイトにある、水温別の厚みの数値表。季節ごとの説明はあっても、℃で区切った表は見つけられませんでした
  • DAN の「水温と滞在時間」の具体的な時間の表。資料に時間の上限は書かれていません
  • 厚みごとの浮力(何kgのウエイトが要るか)の公式値

次の一歩

通いたい海を1つ決めて、上の図でいちばん寒い月の色を見てください。それが買う厚みです。買う前に、その厚みをレンタルで1回着て、浅い場所で浮力を確かめてから潜ってください。

ウェットスーツより先に要るのは、マスクとスノーケルです。「スキンダイビングの持ち物」に、最初に買う順番を書いています。