「コンタクトレンズをつけたまま、シュノーケリングをしていいのでしょうか」 この記事は、そう気になっている方に向けて書きました。答えから言います。日本コンタクトレンズ協会は、水泳・入浴・シャワーのときはコンタクトレンズを外す習慣をつけるよう呼びかけています。 罰則のある法令ではなく、業界団体からの呼びかけです。持ち帰りは3つです。

  1. 外す習慣がすすめられています。 対象は水泳・入浴・シャワーの3場面です
  2. 理由はアカントアメーバです。 水中にいる微生物で、感染すると治療が難しいとされています
  3. レンズの種類による差は、原典に見当たりません。 ハードも含め、種類ごとの水泳時の記述はありませんでした。

水泳時は外す習慣を、と呼びかけています

日本コンタクトレンズ協会(JCLA、コンタクトレンズメーカーでつくる業界団体)は「こんな使い方をしたらダメ」というページで、避けたい使い方を13項目挙げています。そのひとつが次の一文です。

コンタクトレンズをつけたまま水泳、入浴、シャワーを浴びる

つけて泳ぐことを取り締まる法令はありません。あくまで協会からの注意喚起です。ただしその理由は、はっきり書かれています。

理由はアカントアメーバによる感染症です

同じページには、こう続きます。

水中に生息しているアカントアメーバによる感染症は、治療が難しい目の病気のひとつです。最悪の場合、失明することがあります

レンズと水が触れると何が起きるか

アカントアメーバは、水中や土の中にいる微生物(単細胞の原生生物)です。レンズをつけたまま水に触れると、レンズと水が接する機会が増え、感染のリスクが上がるという理屈です。

日本眼科医会(眼科の専門医でつくる学術団体)のページにも、角膜感染症は「絶対に避けたいトラブルのひとつ」だとする記述があります。ただし、水泳そのものに触れた一文は見当たりませんでした。

レンズの種類で見解は分かれていません

一次データを横断して整理すると、次のとおりです。

レンズの種類 団体の見解(水泳時) 主なリスク 対策
1日使い捨て JCLAの呼びかけの対象。眼科医会は感染予防の面で2週間タイプより有利だとしています アカントアメーバ・外れて紛失 泳いだ後は再使用せず、その日のうちに捨てる
2週間・1か月 JCLAの呼びかけの対象。種類による例外の記述はありません アカントアメーバ・レンズケースの消毒不足も重なる 水中では外すか、度付きマスクに置き換える
ハード JCLA・眼科医会とも、ハードに絞った水泳時の記述は見つけられませんでした 確認できなかった 確認できなかった

種類で「これなら泳いでいい」という線引きは、両団体のページのどこにもありません。1日使い捨てが有利とされているのは感染予防の一般論であって、水中での使用だけを検証したものではない点に注意してください。

対策は3つです

見えないと不安、という方には、次の選択肢があります。

  1. ゴーグル型のマスクを使う。顔全体を覆うマスクより水が入りにくく、外れる心配が少なくなります。
  2. 度付きマスクに替える。レンズを外したまま矯正視力を保てます。
  3. 1日使い捨てを、泳ぐ日の朝だけつけて、上がったらすぐ捨てる。ケースに戻さず、その場で使い切る方法です。

度付きマスクはいくらか

TUSA公式サイトで確認できたのは、MC211S用の度付きレンズ(片眼)12,100円(税込・度数-1.0〜-8.0を0.5刻み)という価格です。マスク本体は別売りで、両眼分だと単純計算で倍額になります。GULLも複数のマスクに対応レンズを用意していますが、公式サイトに価格の表示はありませんでした。

レンズの種類ごとに、水泳時の団体の見解と費用の目安を並べた図。1日使い捨てと2週間・1か月タイプはJCLAが外す習慣を呼びかける対象、ハードは両団体とも水泳時の記述なし、度付きマスクはTUSA公式で片眼12,100円(税込)から。
図: 日本眼科医会・日本コンタクトレンズ協会の案内とTUSA公式価格から BLUE BREATH が作図。

販売する側にも義務があります

コンタクトレンズを売る側にも義務があります。厚生労働省の通知(薬生発0926第5号)は、販売業者に対して、購入者への適正使用の説明と、医療機関への受診勧奨を行うよう求めています。

この記事で確認できなかったこと

  • ハードコンタクトレンズに絞った、水泳時のリスクの記述。
  • 外さなかった場合に感染が起きる確率などの統計。
  • GULL製の度付きレンズの実売価格。

次の一歩

まず、いま使っているレンズの種類を確認してください。1日使い捨てなら、泳ぐ日の朝につけて、上がったらその場で捨てる運用に変えるだけで対応できます。2週間・1か月タイプやハードを普段使っている方は、度付きマスクへの置き換えを検討してみてください。マスクを新調するなら曇り止めの手順も先に読んでおくと迷いません。持ち物全体はシュノーケリングの持ち物リストにまとめています。服装はシュノーケリングの服装、海に入る前の基本ルールは安全の約束で確認できます。