「スキンダイビングを始めよう」と決めたあと、次に止まるのは、たいていここだと思います。何を買えばいいのか分からない、という壁です。

検索すると「おすすめ10選」が出てきます。型番を並べられても、自分の顔や足に合うかは書いてありません。値段の幅も広すぎます。1万円で済む話なのか、10万円の話なのかも見えません。

この記事は、これから最初の器材を買いに行く方に向けて、買う場面のことだけを書きます。答えから言います。買うのはマスクとスノーケルの2つだけ。合計おおむね1万円前後で、あとはスクールのレンタルで足ります。 理屈のほうは器材の記事に書きました。

持ち帰りは3つです。

  • 買うのはマスクとスノーケルの2つだけ。 フィン・ウェットスーツ・ウエイトは借りる
  • マスクは、店で顔に当ててから買ってください。 ストラップを付けずに当てて、軽く吸って落ちなければ合っています
  • 当日の荷物は、水着・タオル・サンダル・日焼け止め。 船に乗るなら酔い止めも

買うのは2つ、借りるのが3つ

  • 買う … マスク、スノーケル(合わせておおむね1万円前後)
  • 借りる … フィン、ウェットスーツ、ウエイト(スクールのレンタルで足ります)
  • 後回し … それ以外すべて

フィンとウェットスーツを最初に買わないのは、体に合うかどうかの幅が大きいからです。マスクは別です。顔に合わないマスクは水が入り続けます。それだけで練習になりません。

マスクは、顔に当てて吸えば分かります

顔に合うかを確かめる手順は、複数のスクールが同じことを書いています。

顔の上部にマスクを当てて軽く吸い込んでみましょう。ストラップを付けなくても落ちない状態であれば、フィット感が高い証拠です — OSC(NAUI公認スクール)

&dolphinも同じ手順を案内しています。ストラップを付けずに顔に当てて、ずれずに張りつくかを見る方法です。これは店頭でしかできません。通販で買うなら、同じ製品を一度どこかで当ててからにしてください。

内容積の数字は公式に出ています。GULLのMANTISは容量202cc、CressiのNANOは超小型容積のフリーダイビング用として売られています。数字が小さいほど、鼻をつまみやすく、耳抜きの姿勢が取りやすくなります。

度が入るかは、先に決めてください

近視の方は、度付きレンズが入るモデルかを先に確認してください。GULLには近視用のオーダーレンズに対応するモデルがあります。遠視・乱視は眼科の処方箋が必要です。納品まで10〜20日前後かかります。コンタクトで済ませるつもりでも、マスクに水が入れば流れます。

スノーケルは、よく言われていることが逆かもしれません

素潜りでは排水弁のないシンプルな形がいい、とよく言われます。ところがOSCは「絶対あったほうが良い」と書いています。避けるべきとされているのは、ドライスノーケル(水面で弁が閉まる方式)のほうです。弁が閉まりっぱなしになる誤作動が起きると、呼吸ができずパニックにつながるからです。

つまり「排水弁を避けろ」ではなく「ドライ式を避けろ」が、確認できた範囲での正確な言い方です。反対のことを書いた一次資料は見つけられませんでした。

ブランドは、性格の違う2系統に分かれています

店に行くと、聞いたことのない名前が並びます。まったく違う2種類のメーカーが同じ棚に置かれているからです。

器材ブランドを2列に分けた図。左はスクーバ主体でフリーダイビング専用ラインを持つメーカー(GULL・Cressi・TUSA・Mares・AQUALUNG)、右はフリーダイビング専業ブランド(Molchanovs・LEADERFINS・BESTDIVE・Omer・Beuchat・Salvimar・C4・Alchemy)。日本の正規代理店を公式に確認できたブランドは塗りつぶし、確認できなかったものは白抜きで示している。
図: 各社の公式サイトを2026年8月21日に確認し、日本の正規代理店の記載があるかどうかで塗り分けた。白抜きは「代理店が無い」ではなく「公式サイト上で確認できなかった」という意味。
  • スクーバ主体のメーカー(GULL・Cressi・TUSA・Mares・AQUALUNG)は、その中にフリーダイビング用のラインを別に持っています
  • フリーダイビング専業ブランド(Molchanovs・LEADERFINS・BESTDIVE・Omer・Beuchat・Salvimar・C4・Alchemy)は、最初からこの競技のためだけに作っています

初心者に効くのは、性能より日本で正規に買えるかどうかです。調べていて意外だったのは、Molchanovsの公式ディーラー検索ページに、日本の掲載がなかったことです。国内には「取扱」と書く店が複数あります。この食い違いが何を意味するかは確認できませんでした。買う前に店に直接確認してください。BESTDIVEはWILD BLUEが「国内唯一の代理店」と明記しています。

実際に置いてある店

フリーダイビング用品を扱うと公式に書いている店で、2026年8月21日時点で確認できたものです。推薦ではなく、確認できた事実の一覧です。

場所 扱い
TRUE NORTH 千葉県浦安市猫実 Molchanovs・OMER・BEUCHAT・SALVIMAR・GULL・TUSA ほか
BIG BLUE 東京・国分寺エリア フリーダイバー専用ウェットスーツ、ロングフィン(足の長いフィン)、ノーズクリップ(鼻をふさぐクリップ) ほか
ClownCrown-Shop 沖縄県那覇市辻 Molchanovs・LeaderFins・AQUALUNG ほか。実店舗あり
マレアフリーダイビングスクール 東京・大阪・名古屋・福岡・沖縄 スクール併設。レンタルも可

「試着できます」と明記している店は、この範囲では見つけられませんでした。行く前に電話で聞いてください。店に行く価値は、自分の体を見た人が選ぶことにあります。稲取マリンスポーツセンターは、講習中のフィッティングを元に提案できると書いています。泳ぎ方や顔の形まで把握しているからです。

近くに店が無い場合は通販になりますが、順番は変えないでください。上に書いたとおり、マスクが顔に合うかどうかは当てて吸えば分かることで、画面では分かりません。通販が向いているのは、一度どこかで顔に当てて型番が決まったあと、同じものを買い足すときです。その段階なら楽天市場でGULLのマスクを探すTUSAのマスクを探すといった探し方で足ります。並び順を決めているのは通販サイトで、顔に合うかどうかではありません。

講習の日の持ち物

TRUE NORTHのスキンダイビングスクール(海コース)の持ち物はこうです。水着・タオル・サンダル・洗面用具・日焼け止め・酔い止め・ログブック・筆記用具・お持ちの器材。マレアフリーダイビングスクールは、器材を一式挙げたうえで、すべてレンタルできると書いています。マスク・フィン・スノーケル・ウェットスーツ・ダイブコンピューター・ウエイトベルト・ラニヤード(体とロープをつなぐ命綱)です。

共通するのは、水着・タオル・サンダル・日焼け止め・船なら酔い止めです。器材はほとんど借りられるので、初回に買い揃えていく必要はありません。シュノーケリングだけならシュノーケリングの持ち物を見てください。

この記事で確認できなかったこと

  • 各ブランドの公式定価(GULL・Mares・AQUALUNGは価格を載せた製品ページを見つけられず)
  • フィンの硬さの選び分けの、メーカー公式の基準(ロングフィンの記事でMolchanovsの基準だけ確認)
  • マリンブーツとグローブが要るかどうかの、発信元の明確な記述

次の一歩

買い物としてやることは、3つしかありません。

  1. マスクを、店で顔に当ててから買ってください。 ストラップを付けずに当てて、軽く吸って落ちなければ合っています
  2. フィンとウェットスーツは、初回は借りてください。 講習を受けるなら、たいていレンタルに含まれています
  3. 当日は、水着・タオル・サンダル・日焼け止めを持っていってください。 船に乗るなら酔い止めも

行く先が決まっていないなら、下の「近くの練習会を探す」から、自分の都道府県で探せます。器材を扱う店とスクールが同じところも多いので、最初の1回はそこで一緒に済ませるのがいちばん早い方法です。

本記事は各メーカー・スクールの公開情報に基づく情報提供です。価格・在庫・レンタルの有無は変わりますので、行く前に必ず各店へ直接ご確認ください。