「子どもと川でシュノーケリングをしてみたいのですが、浅い場所なら安心でしょうか」

この記事は、子どもと川でシュノーケリングをしてみたい方に向けて書いています。

答えから言います。できます。ただし、川は海より条件が厳しいです。 令和6年、中学生以下の水難死者・行方不明者28人のうち64.3%が河川で起きています。行為別では水遊びが53.6%で最多でした。

持ち帰りは3つです。

  1. 浅く見えても油断できません。 水深50cm・流速毎秒2mでも、体重が軽い子どもほど強い力を受けて流されやすくなります
  2. 子ども用ライフジャケットは浮力4〜5kg以上、股下ベルト付きを選んでください。 ひざ下の水位でも着用が必要です
  3. 流木・落ち葉・急な濁り・水温低下は増水のサインです。 見えたらすぐ川から離れてください

川で泳ぐこと自体の規則は、他の記事に譲ります

川で泳ぐこと自体は自由で、採ると漁業権、潜水器の使用は県の規則の対象です。詳しくは川で素潜りはしていい?にまとめています。この記事では、規則ではなく子どもを連れて行くときの安全と年齢に絞ります。

中学生以下の水難死は、なぜ河川が多いのですか

警察庁の統計を見ると、河川は5年連続で場所別の首位です。

河川 湖沼池 用水路 プール その他 死者・行方不明計
令和2年 18(64.3%) 5 1 3 - 1 28
令和3年 18(58.1%) 5 6 2 - 0 31
令和4年 14(53.8%) 4 3 4 - 1 26
令和5年 16(59.3%) 7 2 0 2 0 27
令和6年 18(64.3%) 5 0 3 1 1 28
中学生以下の水難死者・行方不明者に占める河川の割合の5年推移。令和2〜6年で53.8〜64.3%の間を推移し、河川が一貫して最多の場所です。
図: 警察庁「令和6年における水難の概況等」からBLUE BREATHが分類(2026年8月23日時点)。

行為別で最も多いのは「水遊び」です

令和6年の行為別内訳では、水遊びが15人(53.6%)で最多でした。シュノーケリングを含む行為区分は、過去5年で令和3年に1人が計上されただけです。危険なのはシュノーケリングという行為そのものより、川という場所での油断だと読めます。

浅く見えても流される理由は何ですか

水の力は思ったより強いです

河川財団(水辺の安全教育を行う公益財団法人)によると、水深50cm・流速毎秒2mの条件でも、片足に約15kg(両足では約30kg)の力が水平方向にかかります。同じ条件でも体重が軽い人ほど抵抗する力が弱く、子どもは大人より流されやすくなります。

低体温症も早く進みます

水は空気より20倍以上熱を伝えやすく、流れている水の中では体温が急激に奪われます。河川財団は、直腸温度が35度以下になった状態を低体温症(体の中心温度が下がった状態)と説明しています。

足が挟まると、ライフジャケットでも顔を出せません

流れが速い場所で足が石の間などに挟まると、動水圧(流れが体を押す水の力)で水中に押し込まれます。ライフジャケットを着けていても、水面に顔を出すことが難しくなる場合があります。

流れが速い場合、もし川底の石の間等に足がはさまれたり、水中の障害物に捕捉されたりすると、たとえライフジャケットを着用していても、強力な流れの力で動水圧で水中に体が押し込まれ、水面上に顔を出したり、脱出することが非常に難しくなる。 — 河川財団「水辺の安全ハンドブック」

ライフジャケットは何を選べばいいですか

子ども用は浮力4〜5kg以上で、股下ベルト付きのものを選んでください。大人用の目安は浮力5.85〜11.7kg程度です。国土交通省は、子どものひざ下くらいの水位でもライフジャケットが必要だとしています。個人の着用義務そのものはシュノーケリングのライフジャケットは義務?で説明しています。川では義務の有無に関わらず着用してください。

高知県いの町の観光協会は、伊野水位観測所の水位が0.7m以上ならライフジャケットの無料貸出を中止すると案内しています。気象警報時も同様です。地域ごとの目安の一例として参考にしてください。

増水のサインは何を見ればいいですか

普段見ない流木や落ち葉が流れてきたとき、急に水が濁ったとき、水温や水位が下がったときは、迷わず川から離れてください。ダムのある川では、放流時のサイレンにも注意してください。根拠は河川法施行令(河川管理者の警告義務を定めた政令)第31条です。

子どもは何歳からシュノーケリングを始められますか

PADI(世界最大級のダイビング指導団体)公式は、シュノーケルから呼吸ができれば年齢制限はないとしています。ただし親子ともライフジャケットの着用が条件です。年齢の詳しい目安はシュノーケリングは何歳から?にまとめています。

潜る前の共通の注意は安全の原則にもまとめています。

この記事で確認できなかったこと

  • 河川で水遊び中に何人が亡くなったかという、場所×行為のクロス集計は警察庁資料にありません
  • 未就学児・小学生・中学生という年齢区分と場所を掛け合わせた集計もありません
  • 岐阜県・群馬県の川遊びの注意ページは、原文の文言までは確認できていません

次の一歩

  1. 子ども用ライフジャケットを浮力表示で選び、股下ベルト付きかどうか試着で確認してください。 ひざ下程度の水位でも着せてください
  2. 潜る前に、流木・落ち葉・急な濁り・水温や水位の低下がないか確認してください。 ダムのある川では放流のサイレンにも注意してください
  3. 年齢の判断に迷ったら、シュノーケリングは何歳から?を読んでから、子どもの体調と経験に合わせて決めてください

中学生以下の死者・行方不明者28人について、発生場所別にみると、半数以上が○河川 18人(64.3%)であり、行為別にみると、最も多いのは○水遊び 15人(53.6%)であった。 — 警察庁「令和6年における水難の概況等」

本記事は2026年8月23日時点で公開されている法令・規則・行政資料に基づく情報提供であり、法律の助言ではありません。個別の事案については、都道府県の水産担当課、漁業協同組合、または弁護士にご相談ください。