「熱海まで来たついでに、初島でシュノーケリングをしたいんですが」
熱海港から船で30分。島に着くと港の前にスノーケラー専用の施設があって、器材も借りられます。そこまでは観光サイトに書いてあります。
この記事は、ツアーではなく自分で船に乗って入ろうと考えている方に向けて書きました。答えから言います。初島は、熱海市の海水浴場ではありません。 市が開設する海水浴場は熱海サンビーチ・長浜・網代温泉の3か所で、初島は入っていません。初島で泳ぐ場所は、市の制度の外で民間施設が開いています。
持ち帰りは3つです。
- 初島で入れるのは民間のスノーケリングセンターの期間と区域。2026年は7月18日から9月中旬、9時から16時
- やすは使えないだけでなく、島に持ち込めない。共同漁業権漁場で、採捕の禁止は魚類まで及ぶ
- ウェットスーツでのシュノーケリングは禁止。理由は「密漁者と間違われるため」
市の海水浴場ではありません
熱海市の公式サイトの「海水浴場」に載っているのは3か所で、熱海市観光協会の海開きのページも同じ3か所です。一方で同じ観光協会の初島のページは、初島港の近くに「毎年7月の三連休〜8月に営業している、スノーケラー専用の有料施設」があると書いています。施設の公式サイトでは、営業期間は7月18日から9月中旬、9時から16時、定休日なしです。
初島で泳ぐ場所はありますが、それは市が「海水浴場」として開いている浜ではありません。 黄金崎では「海水浴場として開く期間」と「それ以外」の線がありましたが、初島にはその線そのものがありません。市の条例が約束するブイ・ロープ・監視は、初島には及んでいません。あるのは施設の運営だけです。
水温で見ると、相模湾・伊豆東の月平均が20℃を超えるのは6月から11月までの6か月です。8月は27.2℃、9月は26.3℃、10月でも23.9℃あります。施設が開く2か月は、その真ん中です。
施設が決めていること
| 内容 | |
|---|---|
| 場所 | 初島第一漁港の前。エリアの1つは漁港内で「風や台風などの影響を受けにくく殆どいつも穏やか」 |
| 営業 | 7月18日〜9月中旬、9時〜16時、定休日なし |
| 区域 | 「必ず指定された遊泳区域やポイントで楽しんで下さい」 |
| 装備 | 「マスク・スノーケル・フィン・スノーケリングベストを使用し」 |
| 人数 | 「最低二人以上で行動しましょう」 |
| 問い合わせ | 090-3157-4015 |
ベストは「使用し」であって「義務」ではありません
「スノーケリングベストを使用し」とありますが、「義務」「必須」という語は使われていません。料金・対象年齢・泳げない人の扱いは公式サイトの本文に書かれていなかったので、この記事では金額を書いていません。
ウェットスーツで入ってはいけない理由
ここは初島に特有の話です。
初島でのウェットスーツ着用でのスノーケリングやスキンダイビングは密漁者と間違われるため禁止されております — 初島スノーケリングセンター
法令ではなく、施設の運用ルールです。理由は、初島が共同漁業権漁場だからです。同じページには、漁業者以外の者はイセエビ・アワビ・サザエ・トコブシ・テングサ・ノリ・ナマコ・魚類の採捕が禁止されていて、違反した場合は直ちに初島漁協・海上保安庁・警察に通報する、とあります。
服装の記事では、冷えを防ぐためにウェットスーツを勧めています。初島ではそれが逆になります。ウェットスーツを着た人が、漁場で潜っている人に見えるからです。施設が代わりに用意しているのは「浮力の有るスノーケリングベスト」で、これなら浮いている人に見えます。装備の選び方が、水温ではなく漁場の都合で決まっています。
やすは、使えないだけでなく持ち込めません
静岡県の遊漁のルールは、やすもは具も「水中眼鏡を利用する場合を除く」としていて、マスクを着けて突く形は県内のどこでも認められていません。初島はその上に、施設のルールが重なります。
モリやヤスなどの使用は禁止されています(島への持ち込みも禁止されております) — 初島スノーケリングセンター
県のルールが「マスクを着けて使うな」、施設のルールが「島に持ってくるな」です。黄金崎の西伊豆町条例(遊泳区域での所持禁止)より一段広いです。
潜る人は、ショップを通します
初島には初島ダイビングセンターがあり、熱海市観光協会のページには「ショップツアーのみの受入れ」とあります。水面を泳ぐのはスノーケリングセンター、タンクを背負うのはダイビングセンター経由、という分かれ方です。マスクとフィンだけで潜るスキンダイバーがどちらの扱いになるかは、どちらの公式サイトにも書かれていません。ウェットスーツ禁止のルールがスキンダイビングにも及んでいることを考えると、スノーケリングセンターの区域で、ベストを着て、息を止めて潜る範囲が現実的な線です。
熱海からは富士急マリンリゾートの高速船で約30分です。通常期は熱海発が7時30分から17時20分まで9便あります。
この記事で確認できなかったこと
- スノーケリングセンターの料金・対象年齢・泳げない人への対応
- ダイビングセンターでのセルフ潜水の可否と、スキンダイバーの扱い
- 初島での事故の公的記録(県警・第三管区の資料に初島に特定した記載なし)
次の一歩
初島に行くつもりなら、順番はこうなります。
- 7月18日から9月中旬の、9時から16時の間だけを当てにしてください。 その外側に、初島には市の海水浴場も監視もありません
- ウェットスーツとやすは、家に置いて行ってください。 どちらも島のルールで入れません。寒さ対策は施設のベストとラッシュガードで
- 2人以上で入ってください。 施設自身が「最低二人以上で」と書いています。海で守るのはこの3つだけです
練習する場所は、下の「近くの練習会を探す」から都道府県で引けます。
本記事は各公式サイトの2026年8月22日時点の記述に基づく情報提供です。営業期間・料金・現地のルールは年によって変わります。行く前に必ず施設へ直接ご確認ください。
