「360度で撮れば、あとから好きな向きを選べるんですよね」
この記事は、海で使う前提で360度カメラを検討している方に向けて書いた。魚は狙った方向から来ないので、全部撮って後で決められるのは大きい。ただし水の中に持ち込むと、陸上では起きない問題が1つ出る。
先に数字から。
- 本体防水は4倍ちがう。 MAX2 が5m、X5 が15m、X6 が20m。
- 専用ケースの主目的は、深さではなく映像のつなぎ目。
- 自撮り棒が消えるのは、境目の死角に入るから。 水中でも同じかは未確認。
本体防水は5mから20mまで
メーカー公式の値を並べる。
| 機種 | 本体だけの防水 | メーカーが水中について書いていること |
|---|---|---|
| GoPro MAX2 | 5m | 「画像の歪みのため水中での使用には適さない」 |
| Insta360 X5 | 15m | つなぎ目のため潜水ケースの使用を推奨 |
| Insta360 X6 | 20m | ダイビング時は公式ケースを推奨 |
素潜りでよくいるのは水面からおおむね5〜10mなので、MAX2 の5mだけが滞在域の内側に入る。 そして MAX2 については、深さより先に読むべき記載がある。公式マニュアルは水中での使用に適さないと明記し、5mは「水しぶきと、水への落下から守るため」の数字だと説明している。水上で使う機種として設計されている。
X6 は3機種でいちばん新しい世代にあたり、公表値は20mになる。マニュアルには、水面へ勢いよく入れると衝撃で水が入る可能性がある、という注意も書かれている。飛び込みながら撮る使い方は、深さの数字とは別に注意が要る。
水の中でだけ起きること
360度カメラは、前後の2つのレンズで撮った映像を境目でつなぎ合わせて1枚にする。この「つなぎ合わせる位置」は、レンズに入る光の曲がり方を前提に計算されている。
水に入ると、その前提が変わる。光は水と空気の境で曲がるので、陸上と同じ計算ではつなぎ目が合わなくなる。
Insta360 は X5 の説明で、つなぎ目をきれいに保つために潜水ケースの使用を推奨している。X6 の説明でも、ダイビングやサーフィンのような水流の衝撃が強い場面では公式ケースを推奨している。つまり専用ケースは、深く潜るためというより、映像が破綻しないための部品になる。
自撮り棒が消える仕組み
2つのレンズには、それぞれの真下に写らない場所がある。棒はちょうどそこに入るので、合成された映像には最初から写らない。消しているのではなく、写っていない。
だから棒の太さや取り付け角度がずれると消えなくなる。そして水中ではつなぎ合わせる位置そのものが変わるため、陸上と同じように消えるかどうかは、各社の公式資料では確認できなかった。ここは正直に未確認として置く。
色は撮影時に直すか、あとで直すか
水深5mを超えると赤から先に吸収され、全体が青くかぶる。360度カメラは前後を同時に撮るので、赤いフィルターを付けるという対処が取りにくい。
Insta360 は Ace Pro 2 という別系統の機種で水中モードを用意していて、公式マニュアルには手ぶれ補正と歪みの補正を自動調整し、誤操作を防ぐため画面を固定する、と書かれている。色の補正については、このマニュアルの記述には含まれていない。 色は撮ったあとにアプリ側で戻す、という考え方になる。
どれを選ぶか
- 水面より上で使う(サーフィン・SUP) … MAX2 が想定しているのはここになる。交換式レンズは、ぶつけたときにレンズだけ替えられる。
- 息を止めて潜って撮る … X5 か X6。本体防水が滞在域の外にある。
- つなぎ目まで気にする … 本体だけで済ませず、専用の潜水ケースを前提に組む。
360度でなくてよいなら、選択肢はもっと広い。1方向でよい人向けの比較は水中で使うアクションカメラの選び方に書いた。
買う場所は、楽天市場で Insta360 X6 を探す、GoPro MAX2 を探すという形になる。当サイトでは店を1軒選んでいない。 並び順を決めているのは通販サイト側になる。水に入れる機材なので、保証の扱いが変わる並行輸入品かどうかは、注文前に商品ページで確かめてほしい。
この記事で確認できなかったこと
- 水中で自撮り棒が消えるかどうか。各社の公式資料に記述が見つからなかった。
- 潜水ケースの対応深度。本体側の数字は公表されているが、ケース単体の値は未確認。
- 3機種を同じ日に同じ海へ持ち込んだ比較。当サイトは360度カメラを所有していない。
次の一歩
- 自分が水面にいるのか、下りるのかを先に決めてください。 そこだけで MAX2 が候補に残るかどうかが決まります。
- 潜水ケースを買うかどうかは、深さではなく画質で決めてください。 つなぎ目が乱れると、あとから直せません。
- 最初の1回は、足の立つ場所で試してください。 360度は向きを気にせず撮れるぶん、水の外の様子を見落とします。
海で守ることは安全の約束(3つ)だけです。撮影中も、上がる方向だけは見ていてください。
本記事は Insta360・GoPro の公開仕様に基づく情報提供です。防水深度はメーカーが保証する上限であり、使用条件によって実際の耐水性は変わります。
