「潜りに行くとき、ダイバーナイフを器材バッグに入れて持って行くつもりです。これって銃刀法に引っかかりませんか」

この記事は、素潜りやシュノーケリングでナイフを持ち歩きたい方に向けて書いています。

答えから言います。海で使う分には、問題ありません。

持ち帰りは3つです。

  1. 刃体6cmを超えるナイフには「正当な理由」が要ります。 ダイビング目的で器材バッグに収納して運ぶことは正当な理由にあたります(銃刀法22条)
  2. 6cm以下でも、隠して持ち歩けば軽犯罪法違反です。 長さの基準はありません
  3. 諸刃で左右対称・刃渡り5.5cm以上の剣型ダイバーナイフは、所持そのものが禁止です。 2009年の改正で刀剣類に加わりました

ダイバーナイフは何に使う道具ですか

PADI(世界最大級のダイビング指導団体)は、ダイビング用ナイフをこう説明しています。「絡まった釣り糸を切ったり、タンクを叩いて合図を送ったりする道具」。合図の相手はバディ(一緒に潜る仲間)です。魚を突く道具ではありません。

護身用としての携帯は、正当な理由になりません

静岡県警は「護身用として携帯する場合」を正当な理由に含めていません。ダイバーナイフも同じで、身を守るために持つという説明は通りません。潜水中に使う道具として運ぶことが前提です。

線引きは、この3つで決まります

銃刀法(銃砲刀剣類所持等取締法)と軽犯罪法を、条文ごとに整理しました。

法令 対象 基準 罰則
銃刀法 22条 刃物の携帯 刃体6cm超(はさみ・折りたたみナイフは8cm以下を除く) 2年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金
銃刀法 2条2項・3条1項 刀剣類の所持 諸刃・左右対称・刃渡り5.5cm以上の剣型 所持そのものが禁止
軽犯罪法 1条2号 刃物を隠して携帯 長さの基準なし 拘留又は科料
ダイバーナイフの持ち方・状況ごとのOK/NGを分類した一覧。器材バッグに収納しての運搬や購入直後の持ち帰りはOK、隠して持つ・護身用・諸刃の剣型はNG。
図: 銃刀法・軽犯罪法・JSA案内・各県警の整理からBLUE BREATHが分類(2026年8月23日時点)。

「正当な理由」に当たるかどうかは、目的と持ち方で決まります

JSA(日本スクーバ協会・ダイビング器材の業界団体)は「ダイビング目的での使用は問題ありません」と案内しています。ただし条件があります。「必ずダイバーナイフは器材バックに収納して運搬携行してください」というものです。ポケットや車内にむき出しで置く運び方は、この整理から外れます。

採る対象の規則に、ナイフは出てきません

千葉県の遊漁規則は、遊漁者が使える漁具を竿釣り・たも網・投網・くまで・徒手採捕などに限定しています。ナイフはこの一覧に登場しません。

ナイフを持つこと自体は漁業の規則の話ではなく、銃刀法・軽犯罪法という別の法律の話です。何を採ってよいかは素潜りで魚突きは違法?にまとめています。

海までの移動では、何に気をつければいいですか

飛行機は機内持ち込みができません。国土交通省は刃物類を、機内持込み手荷物から除外しています(航空法86条)。理由は「ハイジャック・テロに凶器として使用されるおそれがある」ためです。

受託手荷物として預けられるかは、航空会社に確認してください

受託手荷物(預け荷物)としての可否は、品目別の一覧を読み込み切れていません。ダイバーナイフを預けたいときは、利用する航空会社に事前に確認してください。バス・タクシーの車内に持ち込む場合も、注意が必要です。国土交通省のガイドラインは、刃先をケースに収め、袋やカバンにしまうことを求めています。

この記事で確認できなかったこと

  • 受託手荷物としてダイバーナイフを預けられるかの、品目別の公式一覧
  • DAN JAPAN・海上保安庁によるナイフの扱いの記述
  • 都道府県警ごとに運用が異なるかどうかの網羅的な比較

次の一歩

  1. 器材バッグから出して持ち歩かないでください。 ポケットや車に置きっぱなしにしないことが、一番簡単な方法です
  2. 買う前に、剣型かどうかを確認してください。 諸刃で左右対称・刃渡り5.5cm以上のものは、そもそも所持できません
  3. 飛行機で移動するなら、事前に航空会社へ受託手荷物の可否を問い合わせてください。 空港で足止めされるより早く済みます

器材全体の選び方はフリーダイビング器材ガイドにあります。潜る前の共通の注意は安全の原則にあります。

何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない。 — 銃砲刀剣類所持等取締法 第22条

本記事は2026年8月23日時点で公開されている法令・規則・行政資料に基づく情報提供であり、法律の助言ではありません。個別の事案については、都道府県警察または弁護士にご相談ください。