「フリーダイビングを始めたいんですが、近くに練習できる場所はありますか」

この記事は、自分の県に練習できる場所があるかを知りたい方に向けて書きました。この問いに答える一覧が、日本語のWeb上に無かったからです。

答えから言います。北海道から沖縄まで、公式サイトかSNSで活動を確認できた練習会・スクール・クラブは34拠点、13都道府県でした。残る34都府県はゼロです。 これは日本にある練習場所の実数ではなく、探して見つかるのがこの数だ、という話です。

持ち帰りは3つです。

  1. まずデータページで自分の県を引いてください。 団体名・会場・料金・URLまで並べてあり、CSVでも落とせます
  2. 県がゼロでも珍しくありません。 次にやることは引っ越しではなく、検索語を変えて引き直すことです
  3. 気後れする理由はほぼありません。 34拠点のうち28が「初心者可」「泳げなくても可」と自分から書いています

34拠点、13都道府県、そして34都府県のゼロ

都道府県別のフリーダイビング練習拠点数を示した棒グラフ。東京9、神奈川4、沖縄4、兵庫3、福岡3、千葉2、大阪2、茨城・北海道・愛知・奈良・岡山・熊本が各1。他34都府県は0。
図: 2026年8月21日時点でWeb上に公式サイトまたはSNSがあり、活動を確認できた拠点を BLUE BREATH が集計。拠点が東京都か千葉県か特定できなかった1件は除外している。
都道府県 拠点数
東京 9
神奈川 4
沖縄 4
兵庫 3
福岡 3
千葉 2
大阪 2
茨城 / 北海道 / 愛知 / 奈良 / 岡山 / 熊本 各1
拠点を特定できず(東京か千葉) 1
合計 34

内訳を書くと重さが伝わります。東北6県すべてゼロ。埼玉・栃木・群馬もゼロ。日本海側は新潟・富山・石川・福井・鳥取・島根がすべてゼロ。海に面していない県がゼロなのは分かりますが、海がある県の多くもゼロでした。静岡がその代表で、井田も大瀬崎もある県なのに、フリーダイビング専門の常設団体は見つけられませんでした。

半分が首都圏にあります

東京9・神奈川4・千葉2・茨城1で、首都圏4都県だけで16拠点です。特定できなかった1件を足せば17で、34拠点のちょうど半分です。人口が集中しているから、では説明が足りません。関西は兵庫3・大阪2・奈良1の6拠点で、首都圏の3分の1しかありません。理由は次にあります。

詰まっているのは団体ではなく、プールでした

団体側から見ていたときは気づかなかったことが、会場側から数え直した瞬間に出てきました。

首都圏のプール会場ごとに、そこを使っている団体の数を示した棒グラフ。辰巳国際水泳場4団体、東京アクアティクスセンター4団体、シャトー小金井系4団体、横浜国際プール3団体。
図: 各団体の公式サイトに記載された練習会場を BLUE BREATH が突き合わせて集計(2026年8月21日時点)。1団体が複数会場を併用しているため、延べ数で数えている。

辰巳国際水泳場に4団体、東京アクアティクスセンターに4団体、シャトー小金井系に4団体、横浜国際プールに3団体。同じ4施設に、みんなが相乗りしています。

水深5mが要るのに、公営プールは1.4mしかありません

フリーダイビングの練習には、最低でも4〜5mの水深が要ります。ところが一般的な公営プールは1.1〜1.4mで、足が着いてしまいます。だから団体は「どこで開くか」を自由に選べません。水深5mのプールがある場所に、全員が集まるしかありません。 東京に9拠点あるのは東京にフリーダイバーが多いからではなく、東京に深いプールがあるからです。順序が逆です。

これは東京のプール事情の記事の結論「個人で行けるプールはほぼ無い=良い練習会を探す問題」と、裏側から一致します。日本のフリーダイビングの規模を決めているのは、競技人口ではなく施設の数に見えます。

初心者は、だいたい歓迎されています

数える前に予想していたのは「上級者コミュニティで初心者が入りにくい」という構図でした。これは外れました。

初心者の受け入れ 拠点数
「初心者可」「未経験可」「泳げなくても可」を明記 28
記載が無く不明 5
資格保持者限定と明記 1

34拠点のうち28が、初心者を受け入れると自分から書いています。「泳ぎに自信が無い方、大歓迎」「全く泳げない方から」といった踏み込んだ表現も複数ありました。例外は1拠点で、石垣島のkahoo_ishigakiは既に認定を持っている人限定です。入門を教える場所と、既に潜れる人が深度を伸ばす場所は別物で、申し込む前にどちらなのかを確かめてください。

運営主体は二極化しています。マレアフリーダイビングスクール(東京・名古屋・大阪・福岡で自社の温水プール)、ノリス(大阪・神戸・岡山)、トゥルーノース(千葉・沖縄)のチェーン型と、個人の有志が月2〜3回の平日夜に開いている練習会です。後者はGoogle検索の上位には出てきません。

公式リストが、実態を映していません

日本フリーダイビング協会(AIDA JAPAN)の「都道府県支部・協力団体」の一覧で埋まっているのは、福井・三重・沖縄の3県ぶんだけでした。今回34拠点を確認したのに、統括団体側の公式リストには3件しか載っていません。同じ協会の競技記録ページも本文が空です。日本のフリーダイビングの全体像を示す公的なリストが機能していません。 この記事のような数え方をしなければ全体像が出てこないのは、そこに理由があります。

探し方:自分の県にあるかを確かめる手順

  1. 検索語を変えて3回引く。 「フリーダイビング 練習会」だけで諦めず、「スキンダイビング 練習会」「アプネア(息を止めて潜ること)練習会」「素潜り 講習」でも引いてください。呼び名が団体ごとに違います
  2. Instagramで探す。 今回いちばん取りこぼしが多かったのがここです。個人運営の練習会は、Webサイトを持たずInstagramの投稿だけで日程を告知していることがあります
  3. スクーバのショップに直接聞く。 「フリーダイビングはやっていますか」ではなく「スキンダイビングの講習はありますか」と聞くほうが通じます

この記事で確認できなかったこと

  • 34という数は実数ではありません。 LINEのオープンチャットや個人SNSだけで告知される練習会は、構造上見つけられません。実数はこれより多いです
  • ゼロの県は「存在しない」の証明ではありません。地元のダイビングショップに聞けば出てくる可能性は十分あります
  • 各拠点の安全管理体制(指導者の資格・水面監視・保険の有無)は確認していません。一覧に載っていることを推薦と受け取らないでください

掲載されていない拠点をご存じの方、記載内容に誤りがある拠点の関係者の方は、お問い合わせからご連絡ください。確認のうえ追記し、いつ何を追記したかを本文に残します。

次の一歩

一覧を読んだだけでは、どこにも行けません。順番はこうです。

  1. 練習拠点のデータページを開いて、自分の県で絞ってください。 団体名・所在・会場・料金・URLまで載せてあります
  2. 県がゼロだったら、上の探し方のとおり検索語を3回変えて引き直してください。
  3. 申し込む前に、主催者に3点だけ聞いてください。 指導者の資格・水面監視の体制・保険の加入です。この3つに即答できる拠点なら、初回として選んで構いません

初回に自分で用意するものは、3つの約束だけで足ります。器材はたいていレンタルできます。

本記事は各団体の公開情報(2026年8月21日時点)に基づく情報提供です。開催状況・料金は変わります。申し込む前に必ず各団体へ直接ご確認ください。