「フリーダイビングを始めたんですが、東京で練習できるプールってどこですか」

始めるとすぐにこの壁にぶつかります。普通のスポーツクラブのプールは水深1.1〜1.4mで潜れません。では水深5mのダイビングプールへ、と調べると、今度は「個人利用不可」「有資格者の常駐が必要」という文字が並びます。

この記事は、首都圏で練習する場所を探している方に向けて書きました。答えから言います。個人で行って潜れるプールは、ほぼ存在しません。探すのは施設ではなく練習会です。 数値と利用条件はすべて施設公式サイト・公式PDFで確認しました。

持ち帰りは3つです。

  • 探すのは施設ではなく練習会。 深いプールはすべて有資格者の常駐か契約ショップ経由で、個人では入れません
  • 最初の1回は3,300円から試せます。 確認できた範囲での最安はぽんたの辰巳、次がサニーブルーの5,000円です
  • 深さが要るのは深度練習だけ。 息こらえ(スタティック)と水平距離(ダイナミック)なら、水深2mのプールでも成立します

個人で行って潜れるプールは、ほぼ存在しません

首都圏の深いプールは、3つに分かれます。公営のダイビングプール(東京アクアティクスセンター、横浜国際プール、千葉県国際総合水泳場)は、個人利用ができないか、できても「飛込練習専用」です。民間のダイビングプール(シャトー小金井、國富など)は、契約しているダイビングショップ経由が基本で、個人で予約する窓口がありません。唯一の現実的なルートが、これらの施設をスクールが押さえて開いている練習会です。

首都圏の深いプール6施設の水深と個人利用可否。東京アクアティクスセンター5.0m(一般開放は飛込専用)、横浜国際プール5.0m(個人利用不可)、千葉県国際総合5.0m(事前登録者のみ)、シャトー小金井6.0m(契約ショップ経由)、國富5.0m(スクール経由)、マレア池袋3.0m(スクール講習内)。
図: 各施設の公式サイト・利用要項から BLUE BREATH が作成(2026年8月時点)。水深はあっても、個人でふらりと行って潜れる施設はひとつもない。
施設 水深 個人利用 立地
東京アクアティクスセンター 5.0m 一般開放時は飛込練習専用 江東区辰巳
横浜国際プール 5.0m 不可(明記) 横浜市都筑区
千葉県国際総合水泳場(飛込) 5.0m 事前登録者のみ 習志野市
ラック シャトー小金井 6.0m(+1.4m) 契約ショップ経由 小金井市
國富ダイビングプール 5.0m スクール経由 市川市
マレア池袋 最大3.0m スクール講習内 豊島区

東京アクアティクスセンター(辰巳)— 5m、ただし条件が厳しい

首都圏で最も条件の良い水深ですが、「個人でも入れる」という誤解が多いので正確に書きます。一般開放予定表の注記に「一般開放時の個人利用は、『飛込練習専用』となります」とあり、飛込台の利用には飛込競技経験者の証明が要ります。団体で借りる場合の要件PDFはこうです。

〈資格について〉・利用時において、次の基準を満たしている有資格者の常駐が必要です。・スキューバダイビング、シュノーケル、スキンダイビング利用の場合 ①スキューバダイビングのライセンス資格(インストラクター程度) — 東京アクアティクスセンター 団体登録要件

利用の種目としてはスキンダイビングが明記されている一方で、求められている資格は「スキューバダイビングのライセンス資格」です。文面通りに読むかぎり、フリーダイビングのインストラクター資格だけで団体登録が通るとは書かれていません。実際にはこの施設でフリーダイビングの練習会が複数開催されていて、運用上どう扱われているのかは公開資料からは判断できません。

横浜国際プール・千葉県国際総合水泳場・シャトー小金井・國富

横浜国際プールは公式ページに「ダイビングプールは個人利用出来ません」と一文で書いています。団体登録制で、FAXで申し込み、多数なら抽選です(電話045-592-0453・FAX 045-592-1402)。

千葉県国際総合水泳場の飛込プールは「事前に登録した方が利用可能」です。よく引用される「潜水は禁止です」というFAQは、メインプールに関するルールとして書かれていて、飛込プールでのフリーダイビング利用の可否について述べた記述ではありません。

ラック シャトー小金井は公式に「水深6mと1.4mのプールです」「ダイビングショップの方は、お客さんの練習でご利用いただけます」とあり、ショップ経由が前提です。水深表記に食い違いがあり、スクール側のサイトには「4m」と書かれているものがあります。 深度を目当てに行くなら「当日使うのは何mか」を確認してください。

國富ダイビングプール(市川)は水深5m、水温は平均30℃で、冬でも寒くないのは実務上かなり大きいです。TRUE NORTHがここで都度9,900円、4回券35,640円のプール練習を開いています。

スクール編:実際に潜れるルート

スクール 会場 1回あたり 備考
サニーブルー 横浜国際/辰巳/小金井 5,000円(初回7,000円) 首都圏の深場を横断的に使う
ぽんた 東京アクアティクス(辰巳) 3,300円〜 最安
PLATYPUS シャトー小金井 6,000〜8,000円 種目別(スタティック=じっと息を止める・ダイナミック=水平に泳ぐ距離・フィンワーク)
BIG BLUE シャトー小金井 要問合せ 週4日開催
TRUE NORTH 國富(市川) 9,900円/回数券あり 器材レンタル込み
Purna — 12,000円〜(2時間)

選び方:頻度・種目・冬で決める

月1回なら都度払いでいいです。週1回のペースを作るなら、回数券のあるスクールか1回5,000円前後のところを選ばないと、年間コストが跳ね上がります。月1回×12回でも、5,000円なら年6万円、9,900円なら年約12万円です。

種目でも変わります。ダイナミック(水平距離)とスタティック(息こらえ)なら水深2mでも成立します。 深度練習が必要なときだけ5m・6mのプールを選ぶ使い分けが合理的です。そして冬です。海洋実習は伊豆でおおむね6〜11月で、12〜5月はプールしか選択肢がありません。屋内で水温が高い施設を押さえているスクールが有利です。

この記事で確認できなかったこと

  • 横浜国際プールの引率者に求める資格の具体的な基準
  • 東京アクアティクスセンターの団体登録要件の実際の運用(記述と運用が食い違っている可能性が高い)
  • OKマリンプロ(練馬)・ペガサスダイビングプール(船橋)の水深・料金(サイトが参照できず)

次の一歩

練習する場所を探しているなら、順番はこうです。

  1. 施設ではなく、練習会から探してください。 上のスクール表から、通える曜日と会場のものを選んでください
  2. 最初の1回は、いちばん安いところで試してください。 3,300円からあります。続きそうかが分かってから、回数券や種目別の会を考えれば足ります
  3. 申し込む前に、その回が初心者向けかどうかを確認してください。 種目別の回は経験者向けのことが多く、体験クラスは別枠です

海のシーズンに戻るときは全国の練習場所と海洋実習の一覧を見てください。プールは海が閉まっている間のしのぎではありません。息こらえも水平距離も深さが要らないので、冬のあいだに積み上げられるものは多いです。

掲載内容は各施設・スクールの公開情報に基づきます。利用条件は変更される場合があるため、訪問前に必ず各施設へご確認ください。